消費者の正しい判断を妨げる《グリーンウォッシュ》とは?見分ける3つの方法

消費者の正しい判断を妨げる《グリーンウォッシュ》とは?見分ける3つの方法

「サステナブル」という言葉が浸透し、消費者一人ひとりの意識が高まりつつある昨今。

「できるだけ環境に優しい商品を選びたい」
「サステナブルな商品を購入したい」
と、何かを購入する際の基準にしている人も増えてきています。

しかし、そんな消費者を欺く「グリーンウォッシュ」な商品が増えているんです。

グリーンウォッシュとは、実態はそうではないのに、環境に配慮しているように見せかけること。グリーンウォッシュな商品は、環境に配慮したいと思っている消費者を騙し、消費者にとっての正しい判断を妨げてしまうのです。

本記事では、グリーンウォッシュの問題点や私なりの見分け方をご紹介します。グリーンウォッシュについて知識を増やし、自分にとって正しい判断ができるようになりましょう。

グリーンウォッシュとは?

グリーンウォッシュとは

グリーンウォッシュ(グリーンウォッシング)とは、実態を伴わないのに、環境に配慮しているように見せかけること。環境に優しいイメージのある「グリーン」と”うわべ”や”ごまかし”という意味の「ホワイトウォッシュ」を組み合わせた造語です。

「サステナブル」という言葉が一般的になってきた最近では、より環境に良い、持続可能な商品を選択したいと思っている消費者が増えてきています。そんな環境問題への意識が高い消費者への訴求効果を高めるために、グリーンウォッシュな商品が増えているのです。

グリーンウォッシュは何が問題なのか

グリーンウォッシュな商品は、一体何が問題なのでしょうか。

消費者にとって正しい判断ができない

消費者目線での一番の問題点は、自分にとって正しい判断ができないことです。

パッケージデザインや文言、PR方法で環境に良いイメージを打ち出している商品。環境に配慮した商品を選んで購入したいと考えている消費者にとっては魅力的に映りますよね。しかし、実態が伴っていなけば消費者にとっての購入目的が達成されないことになります。

それどころか、環境に全く配慮されていない商品の場合もあります。「環境に優しい商品が欲しい」と思って購入した商品が正反対のものであれば、こんなに悲しいことはありませんよね。

会社やブランドの信用がなくなる

会社やブランド側から見ると、グリーンウォッシュな商品であることがバレてしまった場合、信用がなくなることが一番の問題でしょう。

グリーンウォッシュな商品を販売することで、一時的には売り上げが上がるかもしれませんが、長期的に見ればマイナスが大きいのは明らかです。消費者の気持ちを利用するようなパッケージ、広告を企画しないように注意していただきたいですね。

ファッション業界での過去の事例

ファッション

過去にグリーンウォッシュであると指摘された事例はいくつかあります。ファッション業界では、2019年にH&Mがノルウェー消費者庁からグリーンウォッシュであると指摘を受けました。

同年、H&Mは「サステナブルなファッション」として自然由来の綿やリサイクル可能なポリエステルを使用した「H&M コンシャスコレクション」を発表。しかし、素材の含有量などの具体的な情報が欠けており、本当にサステナブルで環境に優しいのかが不明だとして指摘を受けたのです。

こんな商品に注意しよう

事例としてH&Mを挙げましたが、他にも過去事例はあります。また指摘はされていなくても、本当に環境に配慮しているのか疑わしい商品が世の中には多く潜んでいるので注意が必要です。

以下に当てはまる商品があったら、注意するようにしましょう。

グリーンのパッケージ、自然の写真

自然の写真

購入する際に、はじめに目に入るパッケージ。パッケージの色がグリーンだったり、海や森などの自然の写真が使われていると、環境に優しいナチュラルなイメージをもちますよね。しかし、それだけでサステナブルな商品と判断するのは禁物です。

根拠のない「環境に優しい」「エコ」などの表現

また、「環境に優しい」「エコ」などの表現を使っている商品にも要注意。実態は、極少量の自然由来成分が使われているだけ、リサイクル可能なパーツを一部で使っているだけ、といった場合があります。

グリーンウォッシュを見分けるには?

グリーンウォッシュな商品に惑わされず、本当にサステナブルで環境に優しい商品を選ぶにはどうしたらいいのでしょうか。

パッケージやイメージ画像を素直に受け取らない

ナチュラルな雰囲気のパッケージ

一番大事なのは、パッケージやイメージ画像、PRの文言を素直に受け取りすぎないことです。「エコ」などの表現がされていても、本当にエコなのかどうかを可能な限り調べてから購入するようにしましょう。

認証マークがあるかチェックする

本当に環境に優しい商品なのかをどう調べればよいかというと、一番簡単なのは認証マークがあるかどうかをチェックすることです。

さまざまな認証マークがありますが、ファッションでは以下のマークを覚えておくとよいと思います。

・Organic Content Standard(OCS)

Organic Content Standard(OCS)認証マーク
出典:https://textileexchange.org/

Organic Content Standardは、オーガニックテキスタイルのための認証。原料から製品になるまでの履歴を追跡し、その商品がオーガニック繊維製品であることを証明するマークです。

・オーガニックテキスタイル世界基準

GOTS認証マーク
出典:https://global-standard.org/

オーガニックテキスタイル世界基準(Global Organic Textile Standard:GOTS)は、有機栽培(飼育)のオーガニック繊維を使用し、環境と社会に配慮して加工・流通されたことを示すマーク。

原料繊維がオーガニックなことはもちろん、繊維の収穫や加工・製造・流通の全過程において、環境と社会に配慮して作られたことを証明しています。

上記の2つ以外にもさまざまな認証マークがあるので、購入する際の判断基準として覚えておいてくださいね。

一般社団法人 日本サステナブル・ラベル協会

企業やブランドのサイトを確認する

商品だけ見ても判断できない場合は、企業やブランドのサイトを確認することをおすすめします。環境的・社会的に配慮した商品を作るブランドは、会社のビジョンや理念、取り組みからもその様子が窺えることが多いです。

購入する前に一度立ち止まって、サイトをチェックする癖をつけてみてはいかがでしょう。

情報に惑わされず自分で調べて判断しよう

実態を伴わないのに、あたかも環境に配慮しているかのように見せかける「グリーンウォッシュ」。自分にとって正しい選択をするためには、商品のパッケージや文言から得られる情報だけを鵜呑みにしないことが重要です。

認証マークがあるかどうかを確認したり、企業やブランドのサイトを確認したり。商品が本当にサステナブルで環境に優しいかをしっかりと調べてから、購入するかどうかを判断しましょう。

そうすることで、自分にとっても環境にとっても、ひいては社会にとってもよい判断ができるようになります。グリーンウォッシュについて知り、自信を持って商品を選んでくださいね。

サステナビリティカテゴリの最新記事